余剰在庫という言葉を聞いたことはあるでしょうか？
そして余剰在庫と滞留在庫の違いとはどこにあるのでしょうか。
在庫の動きが当初の予定を下回ってしまい、どうすればいいのか困っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の記事では、余剰在庫と滞留在庫の違いだけではなく、そのデメリットも含めて解説いたします。
適切な対処法に関しても解説いたしますので、ご参考にいただき在庫管理システムとも合わせて在庫管理を最適化いたしましょう。
■余剰在庫ってなんのこと？
余剰在庫というのは、倉庫などに保管されたままになっている”売れ残っている”商品のことを指します。
しかし、これから先も売れる見込みがあるために、在庫リスクとしてすぐに問題視する必要はありません。
例えば売れる商品であったとしても、仕入れすぎると余剰在庫となってしまいます。
ただし、利益を圧迫する要因の一つになることには違いない為、可能な限り迅速に対処する必要性があることも事実です。
■滞留在庫ってなんのこと？
滞留在庫というのは、これから先も売れる見込みもなく、倉庫でただ在庫となり続けている商品のことを指します。
例えば賞味期限が近くなっているものや、パッケージや梱包に損傷が見られるようなものが、この滞留在庫に該当します。
滞留在庫は余剰在庫と比べて、この先利益になる可能性も極めて低いこともあり、可能な限り早く排除する必要があるものです。
この、滞留在庫の対処には、買い取り業者に販売したり、最悪の場合は廃棄するなどしかありません。
■余剰在庫と滞留在庫があることによるデメリット
★キャッシュフローの悪化
商品をただ仕入れたままでは、仕入れ時にかかった費用分が赤字にしかなりません。
仕入れ金額以上の価格で売ることで、ようやく初めて利益を出すことが可能となります。
しかし、余剰在庫や滞留在庫が増えるだけで、そのまま売れない状態が続くと、仕入れに使った資金を回収することも難しくなってしまいます。
この資金繰りの悪化が続いてしまうと、倒産の危機を迎えかねません。
★コストが増加してしまう
倉庫内が在庫商品で溢れてしまうと、保管にあたってかかってくるコストや、棚卸に必要となる人件費、賃貸料、金利コストといったものが過剰になってしまいます。
例えば、滞留在庫の増加というのは、倉庫内の保管スペースを圧迫するものです。
さらには在庫管理作業や、ピッキングの邪魔にもなるので作業効率が大きく落ちてしまいます。
この滞留在庫が増えることで発生する余計な手間は、後々人件費として重くのしかかってきます。
また法人税や都道府県税に関していえば、在庫にも税金がかかってまいります。
その為、在庫が増える度に法人税や都道府県税の支払いも多くなってきてしまいます。
このように、余剰在庫や滞留在庫は企業の利益を減らし、コストの増加にも繋がってまいります。
★品質が低下してしまう
余剰在庫や滞留在庫が溢れてしまうことで、保管期間が長くなってしまうと、商品の摩耗(経年劣化)や損傷を招いてしまいます。
商品に瑕疵があることで、適正価格では売れなくなってしまい、利益も減少してしまいます。
滞留在庫が増えてしまい、今後その商品が売れないものであると予想が出来てしまう場合には、商品を手放すことも検討する必要があるかもしれません。
■余剰在庫と滞留在庫の対処方法は？
★【余剰在庫の場合】値下げセールで売る
需要がある商品であれば、値下げを行うことで大量に販売することも可能です。
値下げセールで販売する方法であれば、多くの購買者に響きやすく、やり方によっては赤字を出すことなく余剰在庫を一掃させることも可能です。
しかし頻繁に値下げセールを行ってしまうとブランドイメージの低下に繋がってしまい、購入者が買い控えをしてしまう可能性もあります。
その為、セールを企画して実行する際には、ブランドのイメージを十分に考慮した上で、購入者が希少性を感じられるよう頻度などを工夫しましょう。
★【余剰在庫と滞留在庫の場合】アウトレットストアで販売する
アウトレットストアで販売する物は、劣化や損傷により通常の価格では販売することが出来なくなった商品を主に取り扱います。
余剰在庫や滞留在庫にしても、通常の価格では売ることが難しくなってしまった商品となります。
その為、アウトレット販売との親和性が大変よく、現金化も容易な方法でもあります。
購入者側からみても、通常の価格より安く購入することが可能なアウトレットストアというものはとても魅力的なものです。
まだまだ使用可能な新品商品が、少しのワケアリで定価より安く販売されているということが、消費者の購買意欲をより刺激するという側面もあります。
理由のある値下げ販売なので、ブランド価値を下げることもなく、消費者からしても安心して購入できるいい方法です。
★【滞留在庫】業者に買取を依頼する
滞留在庫というものは今後売れる見込みがない商品のことを指します。
しかし取引先を限定しなければ、その商品を必要としている業者も多いのもまた事実です。
滞留在庫が溜まってしまった場合には、その商品を買い取りしていただける業者を探して、引き取ってもらう方法もあります。
それでも買取業者を見つけられず、買取依頼が難しい場合には、処分業者へと依頼して処分を行いましょう。
買取業者であれば、値下げによるセールやアウトレットストアほどではないにせよ、短期間である程度の金額を現金化することも難しくはありません。
そして大抵の場合は、買取業者のスタッフが倉庫まで商品を引き取りに来てくださいます。
その為、人件費に関しても大幅な節約をすることが可能です。
ですが、業者の中には処分を行う場合に料金を過剰請求してきたり、話にない追加料金を請求してくる悪質な所もあるので、業者選びの際には注意が必要となります。
■余剰在庫と滞留在庫を減らす方法
余剰在庫や滞留在庫を抱えずに減らす方法としては、やはり適切な在庫管理を行うに尽きます。
過去の発注量や市場の状況、そしてシーズンや天候といった要因などから、正確な需要を予測していかなければなりません。
入出庫のタイミングと量さえ適切に見極められることで、適正在庫量を維持した企業運営を行えるようになるのです。
その為に必要となるのが精度の高い在庫管理システムです。
在庫管理システムを導入することで過剰な在庫を抱えるリスクを最小限に抑え、より確実性を高く商品在庫を捌くことが可能となります。
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