在庫管理業務とは。
物を販売したり、または卸したり、製造業の場合であれば製品を作る際の部品など、日々流動する物品の数や動きを管理する重要な仕事です。
在庫管理に関わる動きはそのまま企業の経営活動と利益に直結します。
しかし効果的な在庫管理の方法を、しっかりと理解出来ている方というのもそう多くはないのではないでしょうか。
そこで、今回は在庫管理業務にまつわる基礎知識などをご紹介していきたいと思います。
在庫管理とは?
なにか物を販売する際に、必ず必要となる考えの一つに「在庫管理」があります。
自身の会社が抱えている在庫量を常に適切な状態に保つことが出来ていれば、顧客の要望に沿った即納体制で対応することも可能になります。
また、余剰在庫の処理に頭を抱えることもなくなります。
ですが、この考えと方法を、実際の業務へ効率的に反映する為には、ある一定以上の知識を持っておく必要があります。
在庫管理をする目的
必要な知識として、まずは在庫管理の目的を確認しておきたいと思います。
在庫管理の目的というのは「必要な商品または資材を、必要な時、必要なタイミングで、必要な場所に、必要な量を供給出来るように体制を整え、在庫として必要な商品や資材を維持すること」です。
簡潔にいうと「顧客が満足できるように商品(在庫)を最適な状態に保つこと」が在庫管理を行う目的です。
在庫管理を行う重要性
在庫管理の重要性は大きく2つに分けられます。
1つは“過剰在庫”と呼ばれる「現金化されていない商品」という、在庫の持つ負の一面を、最小限に抑えることです。
そうすることが出来れば、在庫の保管料やその為に必要となる空間を節約することが可能になります。
もう1つは“機会損失”とされる売り上げの減少を抑えることが出来ます。
簡単に説明すると、前述した過剰在庫と品切れの双方を抑える、ということです。
品切れを起こしてしまうと、販売機会を損なうこととなっていまい、過剰在庫は商品の単価を下げることに繋がり、利益の減少を引き起こしてしまいます。
在庫管理を行う上で知っておくべき基礎知識
在庫管理を行い、その結果を実際の業務に反映させるには、まずは基礎知識が必要です。
在庫管理を理解するにあたりとても大切な考え方となる「在庫回転率」「在庫回転期間」「リードタイム」「交差比率」「棚卸し」これら5つを順に解説いたします。
在庫回転率
在庫回転率というものが何かをご存知でしょうか?
在庫回転率というのは自社にある在庫が、一年を通じてどの程度入れ替わっているのがを数値化して示したものです。
その方法は「会計年度期間中の売り上げ金額または販売金額」が「同期末の棚卸資産(在庫)」の何倍になったかで表します。
そうして算出された数字が大きいほど、自社の販売業務の利益率が高くなっているということが分かります。
販売サイクルが健全に機能しているかどうかを確認する為の、重要な指標の一つとなります。
在庫回転期間
この在庫回転期間と前述の在庫回転率は似ている言葉ではありますが、こちらは在庫全体の流れをみる数値ではなく、一つ一つの在庫の動きを追う為の数値です。
在庫回転期間というのは、自社がその在庫をどれだけの期間保有し、在庫を全て販売するにあたりどの程度の期間を要したのかを示します。
当然ですが、この在庫回転期間は短ければ短いほど、在庫の動きが効率的であることを示し、どの商品に需要があるか、または自社の販売戦略がどの程度効果をあげているかを確認する指標とすることができます。
リードタイム
在庫管理を行うプロセスにおいて、必要となってくる所要時間を「リードタイム」と呼びます。
このリードタイムは、商品や素材・部材を扱う立場によって、3つの要素に分解して考えることが可能です。
1.
「発注リードタイム」
商品や素材を発注して納品完了となるまでの時間
2.
「製造リードタイム」
製品の生産開始から完成までに要する期間
3.
「納品リードタイム」
商品を受注してから取引先へと納品するまでに要する時間
これらのリードタイムを把握するということは、適正在庫を管理するうえでとても大切な指標となります。
交差比率
聞き慣れない「交差比率」という言葉。
これは実際に販売した商品がどれだけの利益を生み出したのかを知る為の数値です。
交差比率=商品回転率×粗利益率という計算式を用いて算出することが可能です。
商品の回転そのものは順調であっても、利益に繋がらなければそのビジネスを健全だとすることは出来ません。
在庫管理を行うにおいて、商品が生み出す利益というものは最も重要視されるものです。
棚卸し
棚卸しに関しては、期末に在庫の数量を確認し、期末棚卸資産の金額を求めることを目的とした作業のことを指します。
企業は期末ごとに、実施した施策がどのような成果を出たのかを数値化する必要があります。
その最も重要な指標となるのが利益です。
そして、その利益を求める為には、この棚卸し作業を経ることで、期末には棚卸資産にかかる決算整理仕訳を切る必要があります。
まとめ
今回は在庫管理システムを用いて在庫管理に取り組むにあたり、関連する基礎知識のお話をさせていただきました。
次回は在庫管理を行う方法からその注意点など、メリットも含めて在庫管理にまつわるお話をさせていただきたいと思います。
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